
”子どもがADHD(注意欠陥多動性障害)かも?”と思ったママさんのために、症状や対応方法、治療、ADHDのお子さんの接し方などについてご紹介します。
ADHDとは
ADHDは注意欠陥多動性障害のことで、不注意・多動性・衝動性といった3つの症状がみられる発達障害のことをいいます。
必ず3つの症状が生じるわけではなく、どれか1つが症状として気になることもあり、個々で症状の程度が異なります。
不注意とは
不注意は、集中力がない、注意が散漫してしまう、忘れ物や落とし物が多いなどといった症状です。
多動性
多動性は、じっとしていられない、落ち着きがない、よく動くなどの症状です。
幼稚園や保育園でみんなが椅子に座っているのに、じっと座ってられず落ち着きがないなどです。
衝動性とは
衝動性とは突発的に動いてしまうことです。
考えずに行動してしまったり、衝動的に手が出てしまうなどの症状です。
症状の特徴とは
これらの症状は小児期よりみられ、成人後もこれらの症状は継続的にみられることがあります。
しかし、成長に伴い脳も成熟するため、多動性や衝動性といった症状は減弱してくることがあります。
そのため小児期ではADHDと診断を受けていたお子さんが、大人になったら診断の基準に満たさなくなるケースもあります。
症状がある=ADHDではない
特徴としていくつか挙げましたが、いかがでしょうか。
みなさんの中にも、自分にも当てはまる症状があると感じた方がいるのではないでしょうか。
実は私も確実に当てはまるものがあります。
それは、不注意です。
私は1つのことになかなか集中できず、注意散漫だと良く言われます。
よく言えば“周りのことまで見えていて凄いね”と言われますが、言いようだと思います。
そして“落とし物”や“なくし物”はしょっちゅうです。
自慢にもなりませんが、定期、財布、荷物を電車に忘れたことは1度や2度ではありません。
何度も駅員さんにお世話になりました。
大学生の頃、特別支援について学んでいた私は、「私はADHDかもしれない、絶対に不注意に当てはまる。」そのように思っていました。
そんな時、あるテレビを見た母から「今、発達障害についてのテレビを見たんだけど、ADHDってあんたのことやん!大丈夫なん?」と電話がかかってきました。
私的には、だから前から言っているじゃないか、、と思う程度でした。
そして私がいつも思うのは、ADHDの症状は誰にでも当てはまる要素はあるということです。
症状の程度が日常生活や社会生活に支障をきたすかどうか、ADHDの診断をされるかどうかということにあると思います。
つまり、不注意や多動性、衝動性といった症状があると、うちの子はADHDかもしれないと感じてしまう親御さんは多いかもしれないということです。
しかし、ADHDは自分で判断できることではありません。
必ず医師の診断が必要となります。
気になった時には、保育園の先生や幼稚園の先生から声がかかるかもしれませんし、親御さんが気になったら先生に相談して、医療機関等に相談してみるとよいでしょう。
ADHDの症状・疑わしい行動とは
先程ご紹介したようにADHDの特徴的な症状として、不注意・多動性・衝動性の3つがあります。
不注意
○最後まで話が聞けない
○忘れ物が多い
○お片付けができない
○よく物を無くす
多動性
○落ち着いてジッと座っていられない
○そわそわして体が動く
○お話を聞く場など、静かにすべきときに話し続ける
○過度のおしゃべり
衝動性
○かんしゃくを起こし、手や足が出る
○順番が待てない
○気にさわることがあると、乱暴をする
○思いついたことを口にしてしまう
保育園に行きはじめたばかりで、うちの子は周りの子の邪魔ばかりして、全然先生の話を聞けない…なんてことは多々見かけます。
このように様々な症状がありますが、多動性や衝動性の症状は年齢が経つにつれて薄れていく傾向にあると言われています。
ADHDの診断・治療とは
乳児期からADHDを診断するのは難しいのが現状です。
理由は、発達障害とは学習や言語といったものの遅れや未発達により判断されることがあり、それを伴わない乳児期には症状が分かりやすく出ないからです。
傾向として、
なかなか寝付かない、
寝返りばかりして落ち着かない、
視線が合わない、
抱っこされることを嫌がる
などということが挙げられますが、いずれも後々振り返った時に、そういう傾向にあるというだけで、全て当てはまる子でも成長の過程である場合も多いので一概にADHDだという診断はできません。
では、いつ診断されるのでしょうか。
診断される時期は様々ですが、なかでも多い時期としては小学校に入学するころの時期です。
例えば、保育園や幼稚園で集団生活をする上で、友だちを叩いたり乱暴したりすることが多い、活動の時に座ってお話が聞けないなどということが少しずつ出てくる時期です。
治療としては、周りの人に理解してもらい、指示は的確に短く、身の回りに物を置かないで集中しやすいなどの環境を作ってあげることです。
環境の調整の他には薬物療法もあります。
薬にはコンサータやストラテラというものがあります。
私の知っている子は、薬を飲まないと人が変わったように別人でした。
薬を飲んでいるととても穏やかで勉強にも集中できましたが飲んでいないと1日中ついてまわらないと、周りに危険が及ぶような状態になりました。
また、薬を飲んでいると食欲がなくなるようで、お昼の給食が完食できないことが多々ありました。
薬が合わないと、動悸や興奮状態、精神的不安定など起こる場合もあるので医師と相談しながら、薬の種類や量を決める必要があると言えるでしょう。
ADHDの対応方法や育て方とは
ADHDのお子さんを2人育ているお母さんを知っています。
母子家庭で、年子の男の子2人。
家の中は、落書きと穴だらけ。
本当に小さい頃は大変だったのだろうということがわかります。
ADHDの子を育てていくうえで大切だなと感じたことは、まず子どものことを理解し、集中できないのであればできない要因であるものを取り除くという工夫をすることです。
“なぜできないのか”と、叱るばかりではなく、集中できる環境を作ってあげることが親御さんに出来ることではないかと思います。
親御さんの接し方、育て方でお子さんは過ごしやすくなります。
ADHDの子は保育園はどうするの?
入る前には、まず相談をしてみましょう。
診断はされていない場合、こういうところがあるというのは保育園側に伝えておくべきです。
情報を伝えておくことで、保育園や幼稚園側で対応してくれます。
ADHDの診断をされている場合は、保育園や幼稚園の先生と相談し、加配を申請することができます。
加配とは、障害と認められた子3人に対し1人保育園の先生を増やすことのできる国の制度のことです。
ADHDの今後の成長はどうなるの?
先程ご紹介したように、年齢が経つにつれて多動性・衝動性という症状はだんだんと治まっていくことが多いと言われています。
小さい頃は、かんしゃくを起こし、友だちに乱暴ばかりしてとても大変だという親御さんも多いと思いますが、薬で落ち着く部分もありますし、小学校に入れば特別支援学級というクラスもあります。
特別支援学級とは、小学校や中学校等に教育上特別な支援が必要な児童生徒のために置かれた学級のことです。
ポイントは、お子さんが落ち着ける環境で学習できるように支援していくことです。
初めのうちは、不安ですし、見た目は他の子と変わらないことから周りから白い目で見られ辛い思いをすることもあるかもしれません。
そんな時は、悩まずにどんどん周りに相談していくといいと思います。
保育園、幼稚園、小学校、どの時期であっても相談機関とつながることはできます。
一人で抱え込まず、周りのサポートを受けながら、みんなでお子さんをわかってあげることが大切です。